関節は十分に動くのに痛い。その理由とは?
患者さんからよく受ける質問のひとつに、
「関節の動きはいいのに、なぜか痛いんです」というものがあります。
可動域は正常、動かしても突っかかりがない。それでも痛い。
この原因の多くは、**“滑走不全”**にあります。
関節の動きというのは、骨と骨が曲がる・伸びるだけではなく、その周囲を覆っている筋肉や筋膜、脂肪体、腱などが滑らかに動くことによって成り立っています。
この「組織と組織が滑るように動く能力」が“滑走性”です。
たとえば、関節を曲げるときに表面の皮膚が引っ張られたり、筋膜が引っかかったりすると、
関節自体は動いていても、内部で摩擦や圧迫が起こり、痛みを感じてしまうのです。
つまり、骨ではなく、その周囲の動きの悪さが痛みを生んでいるケースが非常に多いのです。
この“滑走不全”は、画像検査などでは映りません。
だからこそ、見落とされがちで、「異常なし」と診断されることも少なくありません。
痛みの根本にある滑走性の改善こそが、本当に必要なケアです。
あなたの「原因不明の痛み」は、もしかするとこの滑走不全かもしれません。