筋肉を剥がさないと取れない痛みもある
肩こりや腰痛、膝の痛み。多くの人が経験する不調には、いくつかの原因があります。
その中でも意外と知られていないのが「筋肉同士や筋肉と皮膚、筋肉と神経がくっついてしまう(=癒着する)」ことによる痛みです。
普段、筋肉は伸び縮みするだけでなく、隣り合う筋肉や神経、皮膚と“滑るように”動いています。
ところが長時間の同じ姿勢や繰り返す動作、ケガの影響で、この滑りが悪くなることがあります。
これが「滑走不全」や「癒着」と呼ばれる状態です。
癒着が起こると、体は本来の動きを失い、「無理に引っ張られる」「常に突っ張る」といったストレスがかかります。
その結果、筋肉を一生懸命マッサージしても、表面をなでるだけでは奥の問題が取れず、痛みが残ってしまうのです。
このような場合は、筋肉や筋膜を“剥がす”ようなアプローチが必要になります。
といっても強く揉んだり押したりするのではなく、指先で繊細にずらしたり、組織同士の隙間を取り戻すようにリリースしていきます。
すると「引っ張られていた緊張」が解放され、動きがスムーズになり、痛みも自然と和らぎます。
大切なのは「ただ硬いから押す」のではなく、「なぜ硬さが出ているのか」を見極めること。筋肉を剥がすように整えることで、はじめて取れる痛みがあるのです。