肋骨が腰痛の原因?
一見すると肋骨と腰は関係のないように思えますが、実際には深く関わっています。
肋骨は胸椎と関節でつながり、呼吸のたびにわずかに上下・回旋しています。
この動きが失われると、体幹全体のバランスが崩れ、腰部の筋肉に過剰な負担がかかるのです。
肋骨が硬くなると、まず胸郭が広がりにくくなります。すると呼吸が浅くなり、横隔膜や腹筋群の動きも制限されます。
結果として腹圧がうまく高まらず、腰椎を安定させる力が弱まります。
腰が不安定な状態で日常生活を送ることで、腰椎やその周囲の筋肉・靱帯に微細なストレスが繰り返され、慢性的な腰痛につながっていきます。
また、肋骨が動かないと背骨(胸椎)の回旋も制限されます。
その制限を代償するように腰椎が過剰にねじられることで、筋膜のねじれや椎間関節への負担が増し、腰の張りや痛みを感じやすくなります。
特に産後やデスクワークの多い方は、姿勢の崩れや呼吸の浅さによって肋骨の動きが落ちやすい傾向があります。
施術では肋骨や胸郭を柔らかくし、呼吸がスムーズに行えるように整えていくことが、腰痛改善の大きなカギになります。
肋骨は呼吸器の一部でありながら、腰を守る重要な構造でもあります。腰を揉むだけで改善しない方は、胸郭の硬さにも目を向けてみましょう。



