筋肉は衝撃緩和の作用もある
筋肉は「衝撃を和らげるクッション」その筋肉が固まると踵や膝が痛くなる理由
歩いたり走ったり、階段を上り下りしたり。
私たちは日常生活の中で、思っている以上に強い衝撃を身体に受けています。特に、地面に最初に触れる踵や、その衝撃を受け止める膝には、常に負荷がかかっています。
では、なぜ健康な人は多少歩いても痛みが出ないのでしょうか。
その大きな理由の一つが、筋肉の「衝撃を緩和する作用」です。
筋肉は、動かすためだけの存在ではありません。ゴムのように伸び縮みすることで、地面から伝わる衝撃を吸収し、関節や骨を守るクッションの役割を果たしています。
特に、ふくらはぎ・太もも・お尻まわりの筋肉は、歩行時の衝撃を和らげる重要な存在です。
ところが、この筋肉が固まってしまうと話は変わります。
柔軟性を失った筋肉は、衝撃をうまく吸収できません。
本来筋肉で受け止めるはずの力が、そのまま踵や膝、関節へダイレクトに伝わってしまうのです。
その結果
「歩くと踵が痛い」
「階段の上り下りで膝が痛む」
「特にぶつけた覚えはないのに痛みが出てきた」
といった症状が現れやすくなります。
実際に施術の現場でも、踵や膝が痛い方を詳しく評価していくと、痛みのある場所そのものよりも、周囲の筋肉が硬くなっているケースが非常に多く見られます。
筋肉の柔軟性が低下し、衝撃を逃がせなくなっている状態です。
このような場合、痛い部分だけをケアしても改善は一時的になりがちです。
衝撃を受け止めるはずの筋肉の状態を整えない限り、同じ負荷が繰り返しかかってしまうからです。
筋肉がしなやかに動くようになると、身体は自然と衝撃を分散できるようになります。
すると、踵や膝に集中していた負担が軽減され、痛みが和らいでいきます。
踵や膝の痛みは、年齢や体重だけが原因とは限りません。
「筋肉が衝撃を受け止められているかどうか」
この視点で身体を見直すことが、改善への大きなヒントになることも多いのです。



