女性と子供のための整骨院

首や腰の痛みは「胸椎」が原因?背骨全体から考える身体の不調

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首が痛ければ、首を揉む。

腰が痛ければ、腰を揉む。

症状がある場所を施術することは、一見すると当然のように思えます。

しかし実際に患者様の身体を診ていると、痛みが出ている場所と、その場所に負担をかけている原因が一致しないケースは少なくありません。

例えば、慢性的な首の痛みがあるにもかかわらず、首そのものよりも胸椎の動きを改善した方が症状が軽減する。

腰をほとんど触っていないのに、胸椎を動きやすくしたことで腰が楽になる。

このような変化がみられることがあります。

なぜなのでしょうか。

その理由を理解するためには、まず背骨の構造について知る必要があります。

背骨は一つの棒ではありません

一般的に「背骨」と呼ばれていますが、背骨は一本の骨でできているわけではありません。

小さな骨が連なり、それぞれが少しずつ動くことで、

前へ曲げる。

後ろへ反る。

身体をひねる。

横へ倒す。

といった複雑な動きを可能にしています。

背骨は大きく、

頸椎(首)

胸椎(背中)

腰椎(腰)

そして、その下にある仙骨

に分けられます。

それぞれの部位には異なる特徴があり、得意とする動きも異なります。

つまり、背骨全体が協力しながら身体を動かしているのです。

胸椎はなぜ重要なのでしょうか?

当院が背骨の中でも特に重要視しているのが「胸椎」です。

胸椎は首と腰の間に位置する12個の椎骨から構成されています。

そして胸椎には肋骨がつながっているため、姿勢だけでなく、上半身の回旋や呼吸にも深く関係しています。

例えば、後ろを振り向くという動作。

首だけが回っているように感じますが、実際には胸椎も一緒に回旋しています。

歩行でも同じです。

人間は歩く際に腕を振ります。

腕を振れば肩甲骨が動き、それに伴って胸椎もわずかに回旋します。

つまり胸椎は、日常生活のさまざまな動作の中心部分として働いているのです。

胸椎は「一次弯曲」に分類されます

人間の背骨を横から見ると、真っすぐではなく、緩やかなS字を描いています。

この弯曲には「一次弯曲」と「二次弯曲」という分類があります。

胎児期の背骨は全体的に丸みを帯びています。

この胎児期から存在する胸椎と仙骨の後弯が「一次弯曲」です。

そして出生後、赤ちゃんが頭を持ち上げるようになることで頸椎の前弯が形成され、さらに立ったり歩いたりするようになることで腰椎の前弯が発達していきます。

これらが「二次弯曲」です。

ただし、ここで注意したいのは、

「一次弯曲だから胸椎が最も重要」

「頸椎や腰椎は胸椎を補助するためだけに存在する」

という単純な関係ではないということです。

医学的には、それぞれの部位が異なる役割を担いながら連動していると考える方が正確です。

それでも臨床上、胸椎の動きが首や腰へ与える影響は非常に大きいと考えています。

胸椎が硬くなると首が頑張らなければならなくなる

例えば、長時間パソコンを使っている方を想像してください。

背中が丸くなり、胸椎が曲がった状態が長時間続きます。

すると頭も一緒に前へ倒れてしまいます。

しかし、人間は基本的に前を見ながら生活しています。

そのため、身体は無意識に頭を持ち上げようとします。

すると、

頭が前へ突き出る。

顎が上がる。

首の後ろの筋肉が緊張する。

肩が前へ巻き込む。

このような姿勢になりやすくなります。

つまり、首が悪いから首が痛いのではなく、胸椎が動かないことで首が必要以上に頑張っている可能性があるのです。

この状態で首だけを揉んでも、一時的には気持ち良くても、胸椎が動かなければ再び首へ負担が集中してしまいます。

腰痛にも胸椎が関係することがあります

腰についても同じことがいえます。

特に身体をひねる動作では、胸椎の回旋が重要です。

ところが胸椎が硬くなり、本来必要な回旋ができなくなると、身体は別の場所でその動きを補おうとします。

その一つが腰です。

本来胸椎や股関節などに分散されるはずだった動きを腰で補い続ければ、腰周囲の筋肉や関節への負担が増えてしまいます。

そのため腰痛の患者様であっても、腰だけではなく、

胸椎は動いているか。

股関節は動いているか。

肩甲骨は動いているか。

こうした部分まで確認することが重要になります。

胸椎と呼吸にも深い関係があります

胸椎の重要性を考えるうえで、もう一つ見逃せないのが「呼吸」です。

胸椎には肋骨がつながっています。

呼吸をすると肋骨が動き、胸郭が広がったり縮んだりします。

ところが胸椎や肋骨周囲が硬くなると、胸郭も十分に動きにくくなります。

すると呼吸が浅く感じられたり、首や肩周囲の筋肉を必要以上に使って呼吸したりすることがあります。

「肩こりがなかなか取れない」

という患者様の場合、肩だけを見るのではなく、胸椎や肋骨、呼吸の状態まで確認することが大切になる場合があります。

現代人は胸椎が硬くなりやすい生活をしています

現代の生活を考えてみると、胸椎が硬くなりやすい理由がよく分かります。

パソコン。

スマートフォン。

デスクワーク。

長時間の運転。

家事。

授乳。

赤ちゃんの抱っこ。

私たちの日常動作のほとんどは身体の前側で行われています。

そのため、胸椎を大きく伸ばしたり、ひねったりする機会が非常に少なくなっています。

運動不足だけが問題なのではありません。

「同じ姿勢を長時間続けること」そのものが、胸椎の動きを低下させる原因になり得るのです。

当院が痛い場所だけを施術しない理由

当院では、

「首が痛いから首だけ」

「腰が痛いから腰だけ」

という考え方では施術を行っていません。

もちろん、痛みが出ている部分の状態は確認します。

しかし同時に、その場所へ負担をかけている原因も探していきます。

首の痛みであれば、

胸椎。

肩甲骨。

肩関節。

肋骨。

腰痛であれば、

胸椎。

股関節。

骨盤周囲。

足関節。

など、身体全体のつながりを確認します。

痛みは「結果」として現れているだけで、原因は別の場所に隠れていることがあるからです。

首や腰を何度施術しても戻ってしまう方へ

マッサージを受けると一時的には楽になる。

しかし数日すると、また首や腰が痛くなる。

このような状態を繰り返している方は、痛い場所だけではなく、その周囲の関節が正常に動いているかを一度確認してみてもよいかもしれません。

特に胸椎は、首と腰の間に存在し、肩甲骨や肋骨とも関係する非常に重要な場所です。

胸椎がしっかり動くことで、首や腰だけに集中していた負担を身体全体へ分散できる可能性があります。

背骨は一つ一つが独立して働いているわけではありません。

頸椎、胸椎、腰椎、そして仙骨。

それぞれが連動することで、人間は滑らかに身体を動かすことができます。

だからこそ、症状がある場所だけを見るのではなく、「なぜそこへ負担が集中しているのか?」まで考えること。

これが、繰り返す首の痛みや腰痛を改善していくために大切な考え方だと当院では考えています。