ギックリ腰の痛みが落ち着いたのに痺れが残るのはなぜ?腰だけが原因とは限りません
ギックリ腰になったあと、
「腰の激痛はかなり良くなったのに、お尻や脚に痺れが残っている」
「立っている時は楽なのに、座ると痛い」
「歩いている方がむしろ楽」
このような症状が残る方がいます。
ギックリ腰のあとに痺れが出ると、
「ヘルニアになったのではないか」
「神経がずっと圧迫されているのではないか」
と不安になる方も多いと思います。
もちろん、神経の圧迫や椎間板の問題が関係しているケースもあります。
しかし、すべての痺れがそれだけで説明できるわけではありません。
ギックリ腰をきっかけに、腰や骨盤、股関節周囲の筋肉が強く緊張し、身体全体の動きが崩れたことで痺れや痛みが残っていることもあります。
ギックリ腰の直後、身体は「守る」方向に変化します
ギックリ腰になると、身体は強い痛みから腰を守ろうとします。
そのため、
腰。
お腹。
お尻。
股関節周囲。
太もも。
こうした場所の筋肉が一気に緊張することがあります。
これは身体にとって自然な防御反応です。
「これ以上動かすと危ないかもしれない」
と身体が判断し、周囲を固めることで腰を守ろうとします。
ただ、この防御反応が長く残ると、今度は別の問題につながることがあります。
痛みが引いても、身体のこわばりが残ることがあります
腰の激痛が軽減すると、
「もう治った」
と思う方も多いと思います。
しかし、痛みが軽減しても、
筋肉の緊張が残っている。
関節が動きにくい。
股関節周囲が固まっている。
神経の通り道が動きにくい。
という状態が残ることがあります。
すると、
お尻が痛い。
脚が痺れる。
ピリピリする。
重だるい。
座ると痛い。
といった症状が続くことがあります。
つまり、ギックリ腰の後の痺れは、
「腰の中で何かがずっと圧迫されている」
だけでなく、
ギックリ腰をきっかけに身体全体が固まり、その影響が残っている
というケースもあるのです。
痺れている場所そのものに原因があるとは限りません
ここで大切なのが、
症状が出ている場所と、
ということです。
例えば、お尻が痛いからといって、お尻だけを揉めば改善するとは限りません。
腰。
骨盤。
股関節。
太ももの付け根。
脚。
こうした周囲の動きを整えることで、お尻や脚の症状が変化することがあります。
人間の身体は、それぞれの場所が独立して動いているわけではありません。
腰が動きにくくなれば股関節が代わりに頑張ります。
股関節が硬くなれば骨盤の動きが変わります。
骨盤の動きが変われば、お尻や脚の筋肉にも負担がかかります。
このように、ギックリ腰の影響が別の場所へ広がっていくことがあります。
神経も身体の動きに合わせて動いています
神経というと、
「身体の中に固定されている線」
のようなイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし実際には、神経も身体の動きに合わせて周囲の組織との間をわずかに動いています。
腰や股関節周囲の筋肉が強く緊張したり、関節の動きが悪くなったりすると、神経周囲の動きも悪くなることがあります。
すると、
引っ張られる。
圧迫される。
動いた時に刺激を受けやすくなる。
といったことが起こり、
痺れや違和感につながる場合があります。
そのため、痺れがあるからといって、必ずしも神経そのものが大きく傷ついているとは限りません。
「座り始めだけ痛い」という症状にも理由があります
ギックリ腰のあとに、
「座った直後が一番痛い」
「1〜2分すると少し楽になる」
「立っている時や歩いている時の方が楽」
という方もいます。
このような場合、
常に同じ場所が強く圧迫され続けているというより、
姿勢が変わった瞬間に身体が強く反応している
可能性があります。
座る。
↓
骨盤や股関節の位置が変わる。
↓
硬くなっている筋肉や神経周囲に刺激が入る。
↓
一時的に痛みや痺れが強くなる。
↓
少し時間が経つと、その姿勢に身体が慣れて症状が落ち着く。
このような変化が起こることがあります。
逆に、立ったり歩いたりすると関節や筋肉が動き始めるため、症状が楽になるケースもあります。
「筋肉が硬いから」だけでも説明できません
ギックリ腰のあとにお尻や脚が痛いと、
「筋肉が凝っているからだ」
と思ってしまいがちです。
もちろん、筋肉の緊張は大きく関係します。
ただし、それだけではありません。
ギックリ腰の後には、
筋肉の緊張。
関節の動きの低下。
神経周囲の動きの悪さ。
身体をかばう動作。
痛みに対して身体が敏感になっている状態。
こうしたものが重なっていることがあります。
そのため、症状のある場所だけを強く揉んでも、十分に改善しないことがあります。
当院では腰だけを見ません
ギックリ腰の後に痺れや痛みが残っている方の場合、当院では腰だけを見るわけではありません。
骨盤。
お尻。
股関節。
太ももの付け根。
脚。
足首。
身体全体の動きを確認していきます。
そして、
どこを動かすと症状が変わるのか。
どこの緊張を和らげると楽になるのか。
どの関節が動きにくくなっているのか。
こうした部分を一つずつ確認しながら施術を行います。
ギックリ腰で痛めた場所だけに原因が残っているとは限らないからです。
痺れがある場合は医療機関での確認が必要なケースもあります
ここは非常に大切です。
ギックリ腰のあとに痺れがある場合、
脚に明らかに力が入りにくい。
足が持ち上がらない。
感覚が強く鈍くなっている。
歩行が急に難しくなった。
排尿や排便に異常がある。
会陰部に強い感覚異常がある。
症状が急激に悪化している。
このような場合には、まず医療機関での検査が必要です。
痺れは、身体からの重要なサインでもあります。
「そのうち治るだろう」
と自己判断だけで放置せず、症状の強さや変化を見ながら対応することが大切です。
ギックリ腰は「腰の痛みが消えたら終了」とは限りません
ギックリ腰というと、腰の激痛そのものに注目しがちです。
しかし、痛みが落ち着いた後にも、
身体のこわばり。
関節の動きの悪さ。
かばう動作。
痺れ。
違和感。
が残ることがあります。
そのため、
「腰の痛みがなくなったから完全に元通り」
とは限りません。
ギックリ腰をきっかけに身体全体の使い方が変わっていないか。
そこまで確認することが大切です。
まとめ
ギックリ腰の後に痺れが残ると、
「まだ腰が壊れている」
「神経がずっと圧迫されている」
と考えてしまいがちです。
もちろん、そのようなケースもあります。
しかし実際には、
ギックリ腰による強い防御反応。
腰や骨盤周囲の筋肉の緊張。
股関節や関節の動きの低下。
神経周囲の動きの悪さ。
身体のかばい方。
こうした要素が複雑に関係していることもあります。
だからこそ大切なのは、
痺れている場所だけを見るのではなく、
腰の痛みが落ち着いた後も、お尻や脚の痺れ、痛み、違和感が続いている。
そのような方は、
「まだ腰が悪いから」
と決めつけるのではなく、腰から骨盤、股関節、脚まで含めた身体全体の動きを一度確認してみることが大切です。



