筋トレで神経痛が軽くなることがある?筋力だけでは説明できない身体の変化
「神経痛がある時に筋トレをして大丈夫なの?」
「むしろ安静にした方がいいのでは?」
そう考える方は多いと思います。
確かに、神経症状が強い時には無理な運動を避けた方がよい場合もあります。
しかし一方で、
身体を動かしたことで神経痛が軽くなる
というケースもあります。
例えば、
座っているとお尻や脚が痺れる。
じっとしていると痛みが強くなる。
少し歩くと楽になる。
軽く筋トレすると症状が軽くなる。
このような方もいます。
では、なぜ筋トレで神経痛が軽くなることがあるのでしょうか。
「筋肉が強くなったから」ではありません
筋トレをした直後に神経痛が軽くなった場合、
「筋力が上がったから良くなった」
と思うかもしれません。
しかし、筋肉は1回の筋トレで急激に強くなるわけではありません。
筋力や筋肉量が本格的に変化するには、継続的な運動が必要です。
それにもかかわらず、
運動直後に痛みや痺れが軽くなる。
これはつまり、
筋力以外の変化が起きている
と考えた方が自然です。
筋トレでは筋肉だけでなく関節も動きます
筋トレをすると、
筋肉が収縮する。
関節が動く。
骨盤が動く。
股関節が動く。
背骨が動く。
という変化が起こります。
つまり筋トレとは、
「筋肉を鍛えるだけのもの」
ではありません。
身体全体を動かす行為です。
例えばスクワットをすれば、
股関節。
膝。
足首。
骨盤。
体幹。
これらが一緒に動きます。
その結果、
関節の動きが良くなる。
筋肉の過剰な緊張が変わる。
身体の使い方が変わる。
といったことが起こります。
これだけでも、神経症状が変化することがあります。
神経は身体の中で動いています
神経というと、
身体の中に固定されているコードのようなもの
と考える方も多いと思います。
しかし実際には、神経も身体の動きに合わせて周囲の組織との間をわずかに動いています。
関節を曲げる。
伸ばす。
脚を上げる。
身体をひねる。
こうした動きに合わせて、神経も周囲の組織との間を滑るように動きます。
ところが、
長時間座っている。
同じ姿勢が続く。
身体をかばっている。
筋肉が過剰に緊張している。
このような状態が続くと、神経周囲の動きが悪くなることがあります。
すると、
痺れ。
ピリピリする感じ。
お尻から脚にかけての痛み。
重だるさ。
といった症状につながることがあります。
筋トレによって「滑走」が変わることがあります
身体を動かすと、
筋肉。
筋膜。
関節。
神経周囲の組織。
これらが同時に動きます。
そのため、筋トレによって神経周囲の動きや組織同士の滑走が変化することがあります。
その結果、
神経への刺激が減る。
身体の突っ張りが減る。
動かした時の痛みが軽くなる。
という変化が起こることがあります。
つまり、
筋トレで神経痛が軽くなる場合、筋力アップよりも「
血流の変化も関係します
身体を動かすと、筋肉が収縮と弛緩を繰り返します。
その結果、血液循環も変化します。
長時間同じ姿勢で座っていた身体を動かすことで、
筋肉が動く。
関節が動く。
血流が変わる。
身体が温まる。
という変化が起こります。
こうしたことも、運動後に身体が軽く感じる理由の一つです。
ただし、
「血流を良くすればすべての神経痛が治る」
という意味ではありません。
神経症状にはさまざまな原因があります。
「動いて楽になる」という反応は重要です
神経痛がある方を見る時、
「どこが痛いか」
だけではなく、
何をすると症状が変化するか
を見ることがとても大切です。
例えば、
座ると悪化する。
歩くと楽になる。
軽くスクワットすると楽になる。
股関節を動かすと痺れが減る。
このような反応がある場合、
動くことで身体の状態が改善している可能性があります。
反対に、
歩くとどんどん悪化する。
運動後に痺れが強くなる。
脚に力が入りにくくなる。
このような場合には、無理に運動を続けるべきではありません。
神経痛=安静とは限りません
以前は、
「痛みがあるなら安静」
という考え方が一般的でした。
もちろん、強い急性症状がある時には休むことも必要です。
しかし、長期間まったく動かさないことで、
筋力が低下する。
関節が硬くなる。
身体の使い方が悪くなる。
神経周囲の動きも小さくなる。
ということがあります。
そのため、神経症状がある場合でも、その人の状態に合った範囲で身体を動かすことが大切なケースがあります。
どんな筋トレでもいいわけではありません
ここは非常に重要です。
「筋トレで神経痛が軽くなることがある」
からといって、
重いバーベルを持つ。
痛みを我慢してスクワットする。
高負荷のトレーニングを続ける。
ということをおすすめしているわけではありません。
その人の状態によっては、
軽いスクワット。
股関節を動かす運動。
臀部を使う運動。
体幹を軽く動かす運動。
ウォーキング。
この程度から始めた方がよい場合もあります。
大切なのは、
負荷の強さではなく、運動後に身体がどう変わるか
です。
筋トレで悪化する場合は注意が必要です
神経症状がある方の中には、運動によって悪化するケースもあります。
特に、
脚に力が入りにくい。
足が上がらない。
感覚が明らかに鈍い。
痺れが急速に広がる。
排尿や排便に異常がある。
会陰部の感覚がおかしい。
このような症状がある場合には、自己判断で筋トレを続けるのではなく、医療機関での確認が必要です。
また、
椎間板ヘルニア。
脊柱管狭窄症。
神経圧迫。
などが疑われる場合にも、運動内容には注意が必要です。
当院では「筋力不足」と決めつけません
神経痛があると、
「筋力が弱いから筋トレをしましょう」
と言われることがあります。
もちろん筋力が必要なケースもあります。
しかし、
筋力不足だけが原因とは限りません。
関節が動かない。
筋肉が過緊張している。
神経周囲の動きが悪い。
股関節や骨盤の動きに問題がある。
身体の使い方に偏りがある。
こうした状態では、
まず身体を動きやすくした方がよい場合もあります。
当院では、
筋トレをすべきか。
施術を優先すべきか。
どの動きで症状が変化するか。
身体の状態を確認しながら判断します。
「鍛える」より「動かす」ことが大切なケースもあります
神経痛がある方の中には、
強く鍛える必要はなく、
まず身体を動かすだけで症状が変わる方もいます。
つまり、
筋トレそのものが効いているというより、
筋トレという動作を通して身体全体が動いたこと
が重要な場合があります。
これは、
歩くと楽になる。
ストレッチすると楽になる。
関節を動かすと楽になる。
という反応と似ています。
だからこそ、
「筋力が弱いから鍛える」
という一つの考え方だけではなく、
「身体を動かした時にどう変わるか」
を見ることが大切です。
まとめ
筋トレによって神経痛が軽くなることはあります。
しかし、
筋肉がその場で強くなったから症状が消えた
というわけではありません。
筋トレによって、
筋肉が動く。
関節が動く。
神経周囲の組織が動く。
血流が変化する。
身体の使い方が変わる。
こうした変化が重なり、神経症状が軽くなることがあります。
だからこそ、
神経痛=安静
神経痛=筋力不足
と単純に決めつけることはできません。
大切なのは、
その人の身体が、動いた時にどう反応するのかを見ること。
です。
軽く動いた方が楽になる方もいれば、動かすことで悪化する方もいます。
その違いを見極めながら、施術と運動を組み合わせていくことが、神経痛を考えるうえで非常に大切だと当院では考えています。



