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帝王切開後は「傷が塞がれば終わり」ではありません|産後の腹筋・骨盤底筋と身体の使い方

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帝王切開は、母体と赤ちゃんを守るために必要となる、とても重要な出産方法です。

一方で、出産後の身体という視点で見ると、

自然分娩と帝王切開では、身体に残る負担の出方が異なることがあります。

実際に産後の患者様を見ていると、

自然分娩をされた方と、

帝王切開を経験された方では、

身体の使い方に違いがみられることがあります。

特に帝王切開後の方で感じることが多いのが、

腹部をうまく使えなくなっている

という状態です。

帝王切開後は「腹筋が弱い」だけではない

産後は、妊娠によってお腹が大きくなっていた影響もあり、

腹筋そのものの筋力が低下していることがあります。

しかし帝王切開後の場合、

単純に「筋力が落ちている」だけでは説明しきれないことがあります。

例えば、

下腹部に力を入れようとしても入りにくい。

お腹に力を入れる感覚が分からない。

起き上がる時に腰や腕ばかり使う。

立ち上がる時に脚へ必要以上に力が入る。

身体を支える時に腰が反りやすい。

こうした状態です。

つまり、

筋肉そのものがないのではなく、そこにある筋肉をうまく使えていない

という状態です。

帝王切開では皮膚だけでなく、その下の組織にも影響があります

帝王切開では、皮膚を切開し、その下にある組織を通って子宮へ到達します。

一般的な帝王切開では、腹直筋そのものを大きく切断するわけではありません。

しかし、

皮膚。

皮下組織。

筋膜。

腹部周囲の感覚。

瘢痕。

こうした部分には手術による影響が残ります。

そして術後には当然、痛みもあります。

すると身体は本能的にその場所をかばいます。

お腹に力を入れない。

身体を丸める。

寝返りを避ける。

起き上がる時に腹筋を使わない。

腕や腰で身体を支える。

こうした動作を繰り返します。

これ自体は、術後の身体として自然な反応です。

しかし、その状態が長く続くと、

傷は治っているのに、腹部をうまく使えない

という状態が残ることがあります。

傷が塞がることと、機能が戻ることは別です

帝王切開後、

見た目では傷がしっかり塞がっている。

日常生活も送れている。

それでも、

身体が安定しない。

腰が痛い。

下腹部に力が入らない。

長時間立っていると疲れる。

という方がいます。

これは、

組織が治癒することと、身体の機能が元に戻ることは同じではない

からです。

手術後に傷が治っても、

その周囲の感覚。

腹部の使い方。

呼吸。

姿勢。

動作パターン。

まで自動的に元通りになるとは限りません。

だからこそ、産後の身体では「傷が治ったか」だけではなく、

そのお腹をきちんと使えているか

を見ることが大切です。

帝王切開後は感覚の変化が残ることもあります

帝王切開の傷周囲では、

感覚が鈍い。

触られると違和感がある。

逆に敏感になっている。

自分のお腹なのに感覚が分かりづらい。

ということがあります。

こうした感覚の変化があると、

その部位に力を入れることも難しくなります。

人間は、自分の身体の位置や感覚を感じながら筋肉を使っています。

そのため、

「腹筋を鍛えましょう」

と言われても、

どこへ力を入れればよいのか分からなければ、うまく運動できません。

だからこそ、

鍛える前に、まず使えるようにする

という考え方が重要になります。

帝王切開後に腰痛が出やすくなる理由

腹部の筋肉は、

身体を前から支える。

骨盤を安定させる。

背骨を支える。

呼吸を助ける。

といった役割があります。

その腹部がうまく使えないと、

腰。

背中。

股関節。

太もも。

など、別の場所で身体を支えようとすることがあります。

特に、

腰を反って立つ。

背中を緊張させる。

太ももの前側ばかり使う。

という状態になると、

腰へ負担が集中することがあります。

そのため帝王切開後の腰痛では、

腰だけを施術するのではなく、

腹部がしっかり働いているか

も確認することが大切です。

骨盤底筋との連動も大切です

産後の身体を考えるうえで、

腹筋だけではなく骨盤底筋も重要です。

腹部。

横隔膜。

骨盤底筋。

これらは呼吸や体幹の安定に関係しながら働いています。

そのため、

腹筋だけを強く鍛える。

骨盤底筋だけを締める。

というよりも、

呼吸に合わせながら腹部と骨盤底筋を一緒に使えるようにする

ことが大切です。

例えば、

息を吐きながら下腹部へ軽く力を入れる。

骨盤底筋を無理のない範囲で意識する。

呼吸を止めずに体幹を支える。

こうした簡単な運動から始めていきます。

いきなり強い腹筋運動をする必要はありません

帝王切開後に、

「腹筋が弱いから筋トレをしなければ」

と考えて、

いきなり腹筋運動を始める方もいます。

しかし、

腹部をうまく使えていない状態で強い運動をしても、

腰。

首。

股関節。

など別の場所に力が入ってしまうことがあります。

大切なのは、

回数を増やすことではありません。

まず、

呼吸する。

下腹部を意識する。

身体を支える。

小さな動きの中で腹筋を使う。

こうしたことから始めます。

筋肉を鍛える前に、筋肉を使える状態にする。

これが帝王切開後の運動では非常に重要です。

自然分娩と帝王切開では、産後のアプローチが異なります

もちろん、自然分娩でも帝王切開でも、

妊娠による身体の変化は起こります。

しかし、出産方法によって負担を受けやすい場所は異なります。

自然分娩では、

骨盤底部。

会陰部。

骨盤周囲。

などへの負担を考える必要があります。

一方で帝王切開では、

それらに加えて、

腹部の手術。

傷周囲の感覚。

瘢痕。

腹部の使い方。

などを確認する必要があります。

そのため、

産後だから全員同じ施術

という考え方では不十分です。

出産方法や、その後の回復状態を確認したうえで施術内容を変える必要があります。

施術だけでは足りないケースがあります

帝王切開後の患者様を施術していると、

筋肉を緩める。

関節を動きやすくする。

骨盤周囲を整える。

股関節を動かす。

胸郭や呼吸を整える。

こうした施術によって身体が楽になることはあります。

しかし、

腹筋をうまく使えない状態そのものは、

施術だけでは十分に改善しないケースがあります。

そこで必要になるのが、

自分自身で身体を動かすこと

です。

施術によって身体を動きやすくする。

その後、

簡単なエクササイズで腹筋や骨盤底筋を使う。

それを繰り返す。

この流れによって、

身体を支える感覚を少しずつ取り戻していきます。

帝王切開後の身体は「施術+運動」が大切です

当院では、帝王切開後の方に対して、

傷周囲の状態。

腹部の感覚。

呼吸。

骨盤周囲。

股関節。

腰。

身体の使い方。

などを確認します。

そのうえで必要に応じて、

身体を緩める施術。

関節を動きやすくする施術。

呼吸の練習。

腹部のエクササイズ。

骨盤底筋のエクササイズ。

などを組み合わせていきます。

目標は、

ただ筋肉を柔らかくすることではありません。

産後の身体を、もう一度しっかり使える状態へ戻していくこと

です。

まとめ

帝王切開は、

傷が塞がればすべて元通り

というわけではありません。

帝王切開後には、

腹部周囲の感覚が変わる。

傷をかばう動きが続く。

腹筋を使いにくくなる。

腰や脚で身体を支えるようになる。

といった変化が残ることがあります。

そのため、

「腹筋が弱いから鍛えればいい」

だけではなく、

まず腹筋を使える状態へ戻していくこと

が大切です。

そして、

施術で身体を整える。

腹筋や骨盤底筋を使う。

呼吸と体幹を連動させる。

少しずつ身体の使い方を取り戻す。

この積み重ねが重要です。

自然分娩と帝王切開では、

身体が受けた負担も異なります。

だからこそ、産後の施術も同じではありません。

帝王切開後、

施術を受けているけれどなかなか身体が戻らない。

腰痛が続いている。

下腹部へ力が入りにくい。

身体を支えづらい。

姿勢が安定しない。

そのようなお悩みがある方は、

単純に「筋力不足」と考えるのではなく、

腹部をもう一度使える状態にしていくこと

が必要かもしれません。

帝王切開後の身体についてお悩みの方は、ぜひ一度当院へご相談ください。