首の張りや痛みは「巻き肩」が関係していることがあります|首だけを揉んでも改善しにくい理由
首の後ろが張る。
首を動かすと痛い。
肩甲骨の内側まで重だるい。
背中の上の方がいつも硬い。
こうした症状がある方はとても多いと思います。
実際に患者様を施術していて感じるのですが、
首の後ろに張りや痛みがある方では、
肩が前方へ巻き込んでいる状態
がみられることが非常に多いです。
いわゆる「巻き肩」と呼ばれる状態です。
もちろん、首の痛みすべてが巻き肩によるものではありません。
しかし、
首の後ろばかり揉んでいるのに、すぐに元へ戻ってしまう。
背中をほぐしても張りが取れない。
という方では、
首そのものではなく、肩の位置まで確認することがとても大切です。
なぜ肩は前へ巻き込むのか
巻き肩の原因としては、
デスクワーク。
スマートフォン。
家事。
育児。
長時間の前かがみ姿勢。
など、さまざまなものが考えられます。
これらに共通しているのは、
身体の前側で作業する時間が長い
ということです。
人間の日常生活は、
パソコンを使う。
スマートフォンを見る。
料理をする。
洗濯物をたたむ。
子どもを抱っこする。
物を持つ。
など、身体の前面で動作を行うことが非常に多くなっています。
その状態が長く続くことで、
胸の前側。
肩の前側。
腕の前側。
こうした筋肉が緊張しやすくなります。
すると、肩や腕が前方へ引っ張られ、
肩が前へ巻き込んだ姿勢になりやすくなります。
巻き肩になると、首の後ろはどうなるのか
肩が前方へ巻き込むと、
身体の後ろ側にある、
首の後ろ。
肩甲骨周囲。
背中。
こうした組織は、前方へ引っ張られるような状態になります。
つまり、
前側は縮みやすく、
後ろ側は引き伸ばされやすくなる
ということです。
ここが、首の張りや痛みを考えるうえで非常に重要です。
首の後ろが硬いと、
「ここが縮んで硬くなっている」
と思うかもしれません。
しかし実際には、
引き伸ばされた状態のまま緊張している
というケースもあります。
筋肉は「縮むこと」だけでなく「伸ばされ続けること」でも負担になります
筋肉は、縮み続けても負担になります。
しかし、
長時間ずっと引き伸ばされること
も負担になります。
例えば、
輪ゴムをずっと引っ張ったままにしているような状態です。
肩が前へ巻き込んだ状態が続けば、
首の後ろや背中の筋肉は常に引っ張られた状態になります。
すると、
張る。
重だるい。
疲れる。
痛む。
動かしにくい。
という症状につながることがあります。
そのため、
「首の後ろが硬いから揉む」
だけでは十分ではないことがあります。
首や背中だけを揉んでも戻ってしまう理由
首の後ろを揉む。
肩甲骨の内側をほぐす。
背中をマッサージする。
もちろん、これによって一時的に楽になることはあります。
しかし、
肩が前へ巻き込んだまま
であれば、首や背中はまた同じ方向へ引っ張られます。
すると、
施術直後は楽だった。
↓
仕事や家事へ戻る。
↓
また肩が前へ入る。
↓
首や背中が引っ張られる。
↓
再び張りや痛みが出る。
ということが起こります。
つまり、
痛い場所だけを施術しても、
ということです。
大切なのは「肩の位置」を整えること
首の後ろや背中の張りを改善するためには、
前方へ巻き込んだ肩の位置を見直すことが大切です。
具体的には、
胸の前側の筋肉。
肩の前側。
上腕周囲。
肩甲骨の動き。
胸椎の動き。
こうした部分を確認していきます。
前側の緊張が和らぎ、
肩関節や肩甲骨が動きやすくなると、
それまで前へ引っ張られていた肩の位置にも変化が出ます。
すると、
首の後ろや背中にかかっていた張力が減り、
それまでピンと張り詰めていた筋肉にも余裕が生まれます。
その結果として、
首が軽くなる。
背中の張りが減る。
肩が動かしやすくなる。
首を回しやすくなる。
といった変化が出ることがあります。
胸椎の動きも重要です
巻き肩を考える時、
肩関節だけを見ればよいわけではありません。
胸椎が丸まって硬くなっていると、
肩甲骨が前へ動きやすくなり、
肩も前へ巻き込みやすくなります。
そのため、
肩の前側を緩めるだけでなく、
胸椎がしっかり伸びるか。
身体を回旋できるか。
肋骨や胸郭が動いているか。
こうした部分も確認する必要があります。
つまり、
首。
肩。
肩甲骨。
胸椎。
これらを一つのつながりとして見ることが大切です。
スマートフォンやデスクワークは巻き肩を作りやすい
現代の生活では、
スマートフォン。
パソコン。
ゲーム。
長時間の運転。
など、
頭と腕を身体の前へ出す時間が非常に長くなっています。
この姿勢では、
肩が前へ出る。
頭も前へ出る。
背中が丸くなる。
という形になりやすくなります。
その結果、
首の後ろや背中の筋肉が長時間引っ張られます。
毎日この姿勢を何時間も続けていれば、
首や背中に張りが出ても不思議ではありません。
家事や育児でも同じことが起こります
巻き肩は、デスクワークの方だけに起こるものではありません。
育児では、
抱っこ。
授乳。
おむつ交換。
添い寝。
前かがみで子どもを見る。
といった動作が多くなります。
家事でも、
料理。
洗濯。
掃除。
食器洗い。
など、身体の前側で行う作業が中心です。
つまり、
仕事をしていなくても、
日常生活そのものが肩を前へ巻き込みやすい環境
になっていることがあります。
「胸を張ればいい」わけではありません
巻き肩というと、
「肩を後ろへ引けばいい」
「胸を張ればいい」
と思う方もいます。
しかし、これも注意が必要です。
肩を無理に後ろへ引く。
胸を強く張る。
背筋に力を入れる。
こうした姿勢は、
かえって首や腰へ余計な力が入ることがあります。
大切なのは、
力で肩を後ろへ引くことではなく、
です。
神経や軟部組織へのストレスも考える
首や肩周囲には、
筋肉だけでなく、
神経。
筋膜。
靭帯。
さまざまな軟部組織があります。
肩が前へ巻き込んだ状態が長く続くことで、
これらの組織にも負担がかかることがあります。
そのため、
単純に筋肉だけを揉むのではなく、
肩関節の位置。
肩甲骨の動き。
胸椎。
首。
腕。
まで含めて確認することが重要です。
当院では「痛い場所」だけを見ません
当院では、
首が痛いから首だけ。
背中が張るから背中だけ。
という見方はしていません。
なぜ首の後ろが張っているのか。
なぜ肩が前へ巻き込んでいるのか。
胸の前側は硬くなっていないか。
肩甲骨は動いているか。
胸椎は動いているか。
日常生活でどの姿勢が長いのか。
こうした部分を確認しながら施術を行います。
必要に応じて、
胸の前側の筋肉。
肩関節。
肩甲骨周囲。
胸椎。
首周囲。
などを組み合わせて施術していきます。
まとめ
首の後ろに張りや痛みがある方では、
肩が前方へ巻き込んでいるケースが多くみられます。
肩が前へ巻き込むと、
首の後ろ。
肩甲骨周囲。
背中。
こうした場所が引き伸ばされた状態で緊張しやすくなります。
そのため、
首を揉む。
背中をほぐす。
だけでは、一時的に楽になっても戻ってしまうことがあります。
大切なのは、
なぜ首や背中が引っ張られているのかを見ること。
そして、その原因の一つである、
前方へ巻き込んだ肩の状態を整えること。
首が痛いから首だけ。
背中が痛いから背中だけ。
ではなく、
肩。
肩甲骨。
胸椎。
首。
身体全体のつながりを確認する。
それが、首や背中の痛みを改善していくための大切な第一歩だと当院では考えています。



