ウォーキングは何分から始めればいいの?
「ウォーキングは何分くらいから始めればいいですか?」
これは、患者様からよくいただく質問の一つです。
特に腰や膝、股関節などに痛みを抱えている方の場合、
「どれくらい歩けばいいのか?」
「何分くらいなら歩いても大丈夫なのか?」
「どのくらいの距離なら問題ないのか?」
と悩まれる方は少なくありません。
もちろん、身体の状態や症状を確認することで、ある程度こちらから目安をお伝えすることはできます。
ただし、
「すべての人が○分歩けばいい」とは言えません
というのが本音です。
人によって年齢も違えば、筋力も違います。
普段の運動量、仕事、生活習慣、痛みの原因、症状の強さも違います。
そのため、
「20分なら大丈夫」
「30分歩けば健康にいい」
といった数字だけで判断することはできません。
では、何を目安にすればいいのか?
何か症状を抱えている方の場合は、
「痛みや違和感」を一つの目安にする
という考え方が分かりやすいと思います。
痛みというのは、身体から送られてくるサインの一つです。
例えば、
- 負荷が強すぎる
- 距離が長すぎる
- 歩くペースが速すぎる
- まだ今の身体がその運動量に慣れていない
こうした情報を、痛みや違和感として身体が伝えてくれている場合があります。
15分で痛みが出るなら、まずは15分以内から
例えば、ウォーキングを始めて15分ほどで痛みが強くなってくるとします。
その場合、
「もっと頑張って30分歩こう」
と無理をする必要はありません。
今の身体にとっては、
15分前後が一つの目安
になっている可能性があります。
ですので、まずは10〜15分程度の範囲で歩いてみる。
そこから始めても十分です。
時間だけでなく「歩く速さ」も大切です
ただし、15分で痛みが出たからといって、
必ずしも
「15分以上は歩けない」
という意味ではありません。
その15分間をかなり速いペースで歩いていたのであれば、
時間ではなく、
歩くペースが速すぎた
可能性もあります。
その場合は、
- 歩く時間を少し短くする
- 歩くペースを落とす
- 坂道を減らす
- 休憩を入れる
など、負荷のかけ方を調整してみることが大切です。
ウォーキングでは、
時間・距離・速さ
この3つをまとめて考える必要があります。
大切なのは「今の身体に合った負荷」
よく、
「健康のためには30分歩いた方がいい」
「1日1万歩歩いた方がいい」
といった話を聞くと思います。
もちろん、健康な方にとっては一つの目安になることもあります。
しかし、痛みを抱えている方がその数字に無理に合わせる必要はありません。
今の身体にとって30分が多すぎるのであれば、
10分から始めればいいのです。
10分でも痛みが出るのであれば、5分からでも構いません。
大切なのは、
「世間の基準」ではなく「自分の身体の反応」
を見ることです。
痛みが出なくなったら少しずつ時間を伸ばす
例えば、最初は15分歩くと痛みが出ていたとします。
そこで、
10〜15分程度のウォーキングを繰り返します。
すると少しずつ身体が慣れてきて、
以前は15分で出ていた痛みが出なくなった
ということがあります。
その場合は、
次は20分。
20分が問題なく歩けるようになったら、次は25分。
このように、
身体の反応を確認しながら徐々に負荷を上げていく
という方法がおすすめです。
いきなり大きく増やす必要はありません。
身体が今の負荷に適応してきたら、少しだけ負荷を上げる。
これを繰り返していけばいいのです。
歩いている最中だけでなく「歩いた後」も確認してください
ウォーキング中に痛みが出なかったとしても、それだけで判断しない方がいい場合があります。
大切なのは、
ウォーキング後の身体の反応
です。
例えば、
- 歩いた直後に痛みが強くなる
- 数時間後に痛みが増える
- 翌日に強い痛みが残る
- 腫れや熱感が出る
こういった反応がある場合は、
少し負荷が強すぎた可能性があります。
その場合は、次回から
時間・距離・ペースのどれかを少し下げる
といいでしょう。
「痛みを我慢して歩けば強くなる」は正解ではありません
痛みを抱えている方の中には、
「多少痛くても歩いた方が筋力がつく」
「我慢して歩けば、そのうち慣れる」
と思っている方もいます。
しかし、
痛みを我慢して負荷をかけ続ければいいとは限りません
痛みが強くなる状態で運動を続けると、かえって症状が悪化するケースもあります。
もちろん、多少の違和感があっても動かした方がいい場合もあります。
このあたりは症状や状態によって変わります。
だからこそ、
「痛みがある=絶対に歩いてはいけない」
でもなく、
「痛くても歩き続けるべき」
でもありません。
大切なのは、
今の身体がどの程度の負荷なら受け入れられるのか
を見極めることです。
痛みが強い場合は無理をしないでください
次のような場合は、ウォーキングを無理に続けず、一度医療機関や専門家に相談することをおすすめします。
- 歩くたびに痛みが強くなる
- 安静にしていても痛みがある
- 腫れや熱感が強い
- しびれや力の入りにくさがある
- 数日休んでも症状が改善しない
- 今までと違う強い痛みを感じる
痛みの種類によっては、運動量を調整するだけではなく、
まず原因を確認すること
が必要な場合もあります。
「何分歩けばいいか」より「どこまでなら大丈夫か」
ウォーキングで大切なのは、
長時間歩くことではありません。
最初から30分歩けなくても問題ありません。
10分でも、5分でも構いません。
今の身体が無理なく受け入れられる範囲から始めて、
そこから少しずつ時間や距離を伸ばしていけばいいのです。
つまり、
「何分歩けば正解なのか?」
ではなく、
「今の自分の身体は、どのくらいなら無理なく歩けるのか?」
と考えてみてください。
身体と相談しながら、
少しずつ。
その積み重ねが、結果的にウォーキングを長く続けることにつながります。



